「絶望」と「希望」– 内田樹さんの「大学教育は生き延びられるのか?」を読んで

内田樹さんの2016年5月19日の公演の記事「大学教育は生き延びられるのか?」。彼が語る「絶望」と「希望」。大学に務める私が感じていることが文字になっていて痛く響いた。大学関係者以外には読んでもらいたくない内容でもある。「シラバス」「教員評価システム」「グローバル化」。私は85歳まで教えると野望を立てたから、重くも、また違う角度から内田さんの話を読めた。

管理を担当しているアート学科のために教えてくださっている先生方に対しての自分の姿勢を整える上では、学ぶことがたくさんあったと捉えてみる。以下の公演の出だしの部分、85歳の野望を立てていなかったら、「絶望」と「希望」のどちらを感じただろうか。「希望」は重要だ。

でも、これ以上いると、自分自身が干上がってしまうと思った。60歳になって、残りの人生のカウントダウンが始まったのに、まだやり残した仕事がたくさんある。研究の領域でもありましたし、武道家としてもやらなければならないことがたくさんありました。大学を守るためには現場に残って、僕も仲間たちと激務を分担しなければいけないということは理屈ではわかっていたのですが、会議と書類書きで自分の時間をこれ以上費やすことに耐えられなかったのです。 — 大学教育は生き延びられるのか?

 

この記事を書いた人

シンヤB

アーティスト、教育者、ドラマトゥルク。詳しくは、プロフィールをご覧ください。