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写真術 基礎編
写真家の為の Adobe Photoshop レイヤー入門 / Adobe Photoshop, Introduction to Layers for Photographers
アドビ Photoshop のレイヤー (層) とは? アドビ Photoshop には、レイヤー (層) と呼ばれる機能があります。この機能を使うと、写真や調整を層状に積み重ねていくことができます。 写真家が Photoshop のレイヤーでできることとして、以下のようなことがあげられます。 二枚の写真を重ねて、上の写真を透過状態にする (不透明度を下げる) ことで、上の写真を下の写真に透かしていくことができます。多重露光の写真と同じような効果をだせます。何も入っていないレイヤー (透明なレイヤー) を足して、その透明な層に色などを描き下にある写真に足していくことができます。レタッチと呼ばれる作業です。調整レイヤーを使い、明るい暗いなどの効果を足すことができます。調整レイヤーは、後から調整値を変えることができますので便利です。ドッチ&バーンなどの効果になります。テキストを入れることができます。コピーライト表示、タイトル、自分の名前など入れることができます。クリッピングマスク編集を使い文字の形に合わせて写真を切り抜くことも可能です。写真にマスクを付けることで、複数の写真を使ったモンタージュが作れます。切り抜きとマスクにつては、「Adobe Photoshop レイヤーのマスクの手引き その1 / Adobe Photoshop, Introduction to Masks, Part 1」のページにまとめてあります。 Photoshop のレイヤーはレイヤーパレットでコントロールします。特徴として、層の順番、上下関係が効果、編集結果に反映します。上の層から順番に表示される仕組みです。パレットの上の層から順番に一つづつ透過されていくイメージを持っていただけると良いかもしれません。透過しないものが途中の層にあると、その下にあるものは見ることができません。 矢印の「+」を押すと新しいレイヤーが足されれます。クリッピングレイヤーで新しいレイヤーを作る際は、このボタンを押して作ります。その左側の「フォルダー」のアイコンを押すとグループするためのフォルダーが足されます。矢印の右側の「ゴミ箱」のアイコンを押すと選択しているレイヤーが消えます。 Adobe Photoshop のレイヤーの特徴についてのまとめ 複数の写真を層として重ねることがでる上の層にある写真を半透明にできる上の層から透過して表示される透過しないものの下にあるものは見ることができないレイヤーマスクを使い、層にマスクを付けられる写真以外の要素も層として重ねることができる、例えば、調整レイヤーやテキストや色グループを作り各層をまとめることができるグループ全体にもレイヤーマスクを使いマスクを付けられる -
写真術 基礎編Adobe Photoshop レイヤーのマスクの手引き,その1 / Adobe Photoshop, Introduction to Masks, Part 1
レイヤーも情報が多くなってきたので、「写真家の為のレイヤー入門」として、別のページにしました。 アドビ Photoshop 写真家の為のレイヤー入門 / Adobe Photoshop Introduction to Layers レイヤーのマスクでできること マスク名できることクリッピングマスクテキストや楕円形選択ツールなどを使った写真の切り抜きレイヤーマスク写真の部分的な調整ベクトルマスクパスを使った写真の切り抜き選択とマスク人物などの切り抜きアドビ Photoshop のマスクの4つの方向性 レイヤーのマスクの心得 一般的な写真の場合は、マスクに依存しないように注意撮影よりもマスクの作業に時間を使いすぎないようにマスクの作業は簡単なことからワークフローに取り入れていく 撮影の際に露出がうまくいかなかった写真をマスクで修正するのは、非常手段だと思ってください。初級の方は、マスクで修正するよりも、もう一度撮影してみるというような、可能であれば撮影により多く時間を使う方が写真の腕は上がるのではないかと考えています。 逆に、複数の写真をコラージしていくような作品には、マスクを積極的に使っていくと良いと思います。 クリッピングマスクでの写真の切り抜き 下のレイヤーの濃淡は結果に影響せず、あくまでも形に沿って切り抜くだけ下のレイヤーの透明ピクセルの部分がマスクとして機能するテキストで写真を切り抜くこともできる レイヤーマスクを使い部分調整 レイヤーマスク上で黒い部分がマスクとして機能する黒い部分に重なる写真は見えないレイヤーマスクはマスクを簡単に修正できるので、後から調整しやすいPSDファイルにレイヤーマスクを残して保存すると、ファイルサイズが大きくなる ベクトルマスクでの切り抜き レイヤーパネルで、ベクトルマスクを追加するレイヤーを選択レイヤー > ベクトルマスク > 「すべての領域を表示」を選択ペンツールとパス選択ツールを使い、切り抜きたいものをパスでアウトラインする (パスを描くのは難易度が高いので注意が必要)ベクトルは点で線を描いてアウトラインするので、瓶などの切り抜きには向いています 選択とマスクで人物の切り抜きをしコラージを始める -
写真術 基礎編カメラの露出調整 / Camera Exposure Basics
露出の考え方 カメラは、明るすぎる光も暗すぎる光も苦手です。明るすぎると白っぽい真っ白な写真に暗すぎると黒っぽい真っ黒な写真に。カメラで『アパチャー (絞り)、シャッタースピード、ISO感度』の3つを調整し、明るすぎないよう、暗すぎないように露出を整えます。 露出の図例 A モード (絞り優先モード) であを使い撮影 露出のコツ オート (自動) はカメラが決める露出です。カメラは何を撮影しているか分からないので、写真が暗くなったり明るくなったりします。基本は、重要なハイライトがとばないように、なるべく明るく露出補正で調整し撮影します。暗い写真に仕上げたいときは、Lightroom で現像する際に暗く仕上げます。 オートと補完露出の比較 A モード (絞り優先モード) で露出補正を使い補完 重要なハイライトが飛ばないように撮影し、暗く仕上げた例 露出の美学 意図的に白とび、黒つぶれさせても大丈夫です。白とびしてしまった部分は Lightroom で調整できないことがあり、黒つぶれしてしまった部分は Lightroom で調整するとノイズが目立ってしまったり、調整できないことがあります。そして完全に真っ白になると直せません。 そして、基本は、重要なハイライトがとばないようになるべく明るく撮影することですので、忘れないようにしましょう。 飛んだハイライトが直せない例 右上は真っ白に飛んでしまっています。暗くしても直りません。 横向きの構図の例 真っ白を避けるには、横向きで撮影してみるのも一つの方法です。いかがでしょうか? 露出のブラケット 露出が分からないと思う時は『少し暗い、普通、少し明るい』のように、違う露出の写真を撮影しておき、Lightroomでの現像の際に、適切な一枚を選ぶ方法もあります。違う設定で同じ写真を撮影することを、ブラケット撮影といいます。露出ブラケットを自動で撮影できるカメラもあります。ブラケット、オートブラケッティング機能を使います。 -
写真術 基礎編Lightroom (モバイル版 and PC版) に 一眼デジカメの撮影データを取り込む方法 / How to import DSLR photos to Lightroom (mobile and PC)
Lightroom に一眼デジカメの撮影データを取り込む方法〜Lightroom ワークフロー デジタルカメラで撮影したRawデータは、スマートフォンや PC に取り込んで Lightroom で現像します。 ワークフロー スマートフォン (iPhone) やタブレット (iPad) を使っている人は、Lightroom mobile を使って現像します。現像するにはカメラから撮影データをコピーする必要があります。たくさん取り込むと iPhone などの容量がいっぱいになってしまう可能性がありますので、現像したい写真だけを取り込むようにします。 PC で作業したい人は、PC に Lightroom をインストールしてから、撮影データを PC に取り込み現像します。デスクトップやノートブックにインスールした Lightroom は便宜上、Lightroom PC と呼ぶことにします。 Lightroom mobile に取り込んだものは、クラウドストレージ経由で Lightroom PC とも共有されますので、行ったり来たりして作業できます。 現像後に Photoshop で作業したい場合は、Lightroom PC の「Photoshopで編集」の機能 を使い、Photoshop にデータを渡すと、Lightroom の編集が反映された状態で Photoshop で写真を開くことができます。Photoshop からクラウドストレージに直接アクセスしてファイルを開けると、Lightroom mobile の編集が反映されません。 Lightroom に取り込む方法は無線と有線の二通り ワイヤレス (無線) — カメラ会社のアプリを使い、カメラからワイヤレスでスマートフォンにコピーするワイヤード (有線) […] -
写真術 基礎編ピントとフォーカス / Brandpunt and Focus
昨年から始まったアドビとのコラボレーションは今年も続きます。写真講座の参加者からリクエストが多かった「初級写真講座 基礎編」を制作中です。カメラの座学とLightroomの座学がセットになっている講座で、第一回は「ピントの美学」と「Lightroom へのファイルの取り込み」がテーマ。動画ではなく文字で読んで勉強したいとのリクエストも多いので、文字バージョンをブログに掲載してみることにしました。まずは「ピントの美学」から。 ピント・フォーカスの仕組み ピントとフォーカスは同じで意味で、「焦点」である。ピントが合っているとは、画像がくっきりボケていない状態のこと。頭に入れておいて欲しいのは、カメラはレンズを前後してピントを合わせているということ。私たち撮影者はピントを合わせたいモノとの距離を、フォーカスリング (もしくはオートフォーカス) を使い合わせているが、実のところ、ピントを合わせたい場所との距離の情報をカメラに伝えると、カメラはレンズ — レンズの中に入っている複数の虫眼鏡のようなレンズパーツ — を前後してピントを合わせてくれる。 ピント・フォーカスの語源 ピントの語源は、オランダ語の Brandpunt (焦点) の punt (プンツ) がピントになったとされる。brand は「火」、punt は「点」という意味、punt は英語では point (ポイント) である。 二つの (虫眼鏡のような) レンズを重ね上下し間隔を合わせると太陽の光を一点に集めることができ、そこに火が付くことから、Brandpunt 、火点 = 火がつく点 = 焦げる点が「焦点」となったとされる。 英語の Focus (フォーカス) は集合点という意味で、ラテン語がルーツ。元々は「炉・火」を意味し、家族が集まる場所を表していたとされるが、どのような背景で「焦点」として使われるようになったのかは記録に残っていない。 興味深いのは、焦点を意味する日本語の写真用語「ピント」はオランダ語からきているということ。これはつまり、日本に写真をもたらしたのは、オランダ人であったということを指していると考えて良いだろう。 コーヒー、コンパス、インキやピストルと同じようにピントもオランダからやってきたのである。日本に写真技術がやってきたのは1848年とされている。オランダ船が持ち込んだダゲレオタイプが最初である。ダゲレオタイプの話もしたいですが、割愛します。 Brandpunt 基礎としてマスターしたいピントの奥行きは二種類 レンズには「絞り (アパチャー)」と呼ばれる機能があり、絞りの設定で「ピントの奥行き」のコントロールができる。基礎としてマスターしたい『ピントの奥行き』のスタイルは二種類となる。 ピントのボケが感じられる写真 基礎をマスターするために、一部にピントが合っていて、ピントの奥行きが浅い状態をいつでも作れるように練習しましょう。一部にピントが合っている状態とは、前景か背景、もしくは前景と背景の両方がボケている状態です。 ピントのボケが感じられない写真 前景にあるものから背景までピントが合っている状態をいつでも作れるように練習しましょう。ピントのボケが感じられない写真を、パンフォーカス (ディープ・フォーカス)といいます。 ボケ、浅い奥行きの作り方 シャローフォーカス (ピントの奥行きが浅い) といいます奥行きを浅くするには、絞り (アパチャー) を開けますF値で言うと、F2など (F2がなければなるべく小さい値)コツはカメラを被写体に近づけることと、被写体を背景から遠ざけること焦点距離は長い方がボケやすい […]