アルケミスト: 好きなものには名前を

あなたは、もし未来は決まっていると言われたら、どう思うだろうか?

私は、教え子から人生相談されると、「未来は、決まっていると思うか?」とたずねてしまうことがある。

「決まってはいない」と答えが返ってくる。だから悩んでいるんじゃないかと、不満げな表情。

気持ちは分かる。私も長いあいだ、そう思っていた。

そして、私は、こう答えることにしている。

「これは、私の秘密だが。私は、未来は決まっていると思っている。だから、私は、自分の信じる道を歩くことにした。」

私は、この自分の秘密に、 パウロ・コエーリョの「アルケミスト」という本を通して気づいた。面白い本で、惹かれていたのだが、何に惹かれているのかが分からない本だった。気になったので何度か読んでみた。

マクトゥ ーブという言葉がでてくる。

「それは書かれている」というような意味だと説明されている言葉。

何度読んでも、私は、この言葉の意味が分からなかった。

そして、何年も経って、私が、人生の悩みを親友に相談しているときに、不思議なことが起こった。

親友が、こう言ったのだ。

「心配しなくていいんじゃない。未来は、変わらないんだから」

はっとした。すぐに、アルケミストのことを思い出した。あの本は、そのことについて語っていたのだ。

未来は変わらない、「それは書かれている」ようなものなのだから。

未来が変わらないとしたら、ここで、立ち止まるべきか? それとも、未来への第一歩を踏み出すべなのか?

また何年かして、別の親友が、「どうせ全部うまく行くし」と、口癖のように言いだした。面白いこと言いだしたなーと聞いていたのだが、あるとき、「未来は変わらない」と同じことを言っているのだと気づいた。

それは、書かれているようなものなのだから。

きっとうまくいく。

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この記事を書いた人

シンヤB

アーティスト、教育者、ドラマトゥルク。詳しくは、プロフィールをご覧ください。