写真は可能か — ダイアン・アーバスと森山大道

PURPLEでの写真レクチャーは 2024年6月29日 15:00からです。以下のWebページから予約できます。

「写真は可能か」の基礎情報

『日本人は集団主義的』という通説は誤り | 東京大学

『日本人が大戦中にとった集団主義的な行動は、外敵の脅威に直面したときに人間集団がとる普遍的な行動であるにもかかわらず、「集団主義的な文化」の証左であると解釈されてきたのは何故なのだろうか? その理由は、「対応バイアス」という思考のバイアスだということが明らかになった。

「対応バイアス」というのは、「人間の行動の原因を推定するとき、外部の状況を無視して、その行動と対応する内部の特性(たとえば、「集団主義的な行動」と対応する「集団主義的な精神文化」や「国民性」)が原因だと解釈してしまう」というバイアスである。』

メンタルレベル / メンタル・モデリング | スティーブン・ショア

メンタル・レベル(精神・心・意識のレベル)

このページを読んだり、写真を見たり、世界の他のものを見たりすると、メンタルイメージ(心・意識の中の構築物)が見えます。ポール・カポニグロのこの写真を見るときに、焦点が移動します。でも、実際には「目」の焦点は変わっていません(平らなページを見ているので)。写真のメンタルイメージの中で焦点を変えるのは心であり、目の焦点を変えるのと同じような感覚を伴います。メンタルの焦点が意識の中で移動しているのです。

このページから反射した光は、目のレンズによって網膜に集光されます。網膜は視神経に沿って電気的刺激を大脳皮質に送ります。そこで脳はこれらの信号を解釈し、メンタルイメージを構築します。これは驚くべきことに、獲得した能力なのです。生まれつき目が見えなかった患者が視力を回復しても、最初は光しか見えません。メンタルイメージを構築する方法を学ばなければならないのです。

ピクチャーは、心・意識のレベルに存在しています、描写レベル(写真が示しているもの)と一致するかもしれませんが、それを反映しているわけではないのです。メンタルレベルは、描写レベルに対する私たちの知覚を詳細化し、洗練し、装飾します。写真のメンタルレベルは、「絵」の(そして「絵」のための)メンタルイメージを構築するためのフレームワークを提供しています。

記号としての写真 | 名取洋之助

「だが、この三枚をいっしょに並べてみれば”寒さ”という感情が見る人に湧いてきます。写真は、見る人の過去の経験を思い起こさせますから、この三枚に共通する経験、”寒さ”を読みとるわけです。人間が、具体的なさまざまな事実のなかから”寒さ”という抽象的な概念を発見した、その同じ過程が、写真を見て過去の経験を思いだすという、心の動きの中でくり返されるのです」

『組写真の基本的な機能』、名取洋之助の「写真の読みかた」より

ダイアン・アーバスと森山大道の比較の為のメモ

資料(写真集)の分量を検討した結果、ダイアン・アーバスさんと森山大道さんのレクチャーは、2回に分けることになりました。次回のレクチャーは、2024/9/21[土]15:00- の予定ですので、今回は、ダイアン・アーバスさんを中心にお送りします。次回、9月21日は、森山大道さんを中心にお送りします。

ダイアン・アーバスと森山大道 年表|シンヤB

前回のレクチャーと同じように比較できるような年表を作ってみました。

シンヤBのメモ

  • Ambiguity / 曖昧さ
  • Human Figures, Subject Matter / 人体像、撮影対象
  • Symbolism / 象徴性

ダイアン・アーバス

ダイアン・アーバス作品紹介と解説

Two female impersonators backstage, N.Y.C. (1960)
https://www.moma.org/collection/works/57778

Child with a toy hand grenade in Central Park, N.Y.C., 1962
https://www.moma.org/collection/works/57781

Retired man and his wife at home in a nudist camp one morning, N.J., 1963
https://www.moma.org/collection/works/53460

Diane Arbus. Teenage couple on Hudson Street, N.Y.C., 1963
https://www.moma.org/collection/works/53472

Xmas tree in a living room in Levittown, Long Island, 1963
https://www.moma.org/collection/works/57362

Identical twins, Roselle, N.J., 1966
https://www.moma.org/collection/works/58927

A family in Brooklyn on their way to visit their parents, N.Y.C., 1966
https://www.moma.org/collection/works/50730

A young man in curlers at home on West 20th Street, N.Y.C. (1966)
https://www.moma.org/collection/works/53496

Diane Arbus. A child crying, N.J., 1967
https://www.moma.org/collection/works/50708

A family on the lawn in Westchester on a Sunday, N.Y., 1968
https://www.moma.org/collection/works/53448

Man at a parade on Fifth Avenue, N.Y.C., 1969
https://www.moma.org/collection/works/51025

Man at a parade on Fifth Avenue, N.Y.C., 1969
https://www.moma.org/collection/works/51025

ダイアン・アーバスにとって重要と思われる人々の紹介

  • 祖父(フランク・ルセック / Frank Russek)
    • フランク・ルセック(1875/1876 – December 10, 1948)はポーランド系ユダヤ人の移民で、1800年代後半に10代でニューヨークに到着しました。フランクは1900年代初頭にニューヨークで毛皮商を始め、後に2人の兄弟が加わり、高級衣料品やアクセサリーに事業を拡大。1924年、彼らは5番街と36番街の角に百貨店(Russek Department Store)をオープンし、Russeks Fifth Avenue, Inc. を立ち上げました。1936年には、500人以上がこの会社で働いていました。
  • 兄(ハワード・ネメロフ / Howard Nemerov)
    • ハワード・ネメロフ(1920年2月29日 – 1991年7月5日)はアメリカの詩人。1963年から1964年、そして1988年から1990年にかけて、2度もアメリカ合衆国議会図書館の桂冠詩人顧問を務ています。1977年に出版された「ハワード・ネメロフ詩集」でネメロフは全米図書賞の詩部門、ピューリッツァー詩賞、ボーリンゲン賞を受賞しています。
  • 夫(アラン・アーバス)
    • アラン・フランクリン・アーバス(1918年2月15日 – 2013年4月19日)は、アメリカの俳優、写真家。アメリカのテレビ史上でもっと有名なテレビドラマの一つである「M*A*S*H.」で精神科医シドニー・フリードマン役を演じたことで知られている。
  • 写真家・教育者 リゼット・モデル
    • リゼット・モデル(1901年11月10日 – 1983年3月30日、本名エリーゼ・アメリー・フェリーチェ・スターン)は、オーストリア生まれのアメリカ人写真家で、ストリートフォトグラフィーにおける率直なヒューマニズムで知られています。1940年代に活躍した多作な写真家であり、ニューヨークの写真協同組合「フォト・リーグ」のメンバーでもあった彼女は、「PM’s Weekly」「Harper’s Bazaar」「US Camera」などに作品を発表。アンセル・アダムスの仲介により1949年から教育活動を始め、1951年から長年の友人であるベレニス・アボットの紹介でニューヨークのニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチで教鞭をとり、1983年に亡くなるまで写真撮影と教育活動を続ける。夫のエヴァとともに、アパートでプライベートなワークショップも提供し、モデルの最も有名な生徒は、1957年に彼女の下で学んだダイアン・アーバスで、アーバスの手法の多くはモデルに負うところが大きいとされる。アーバスの夫アランは、「それはリゼットのおかげだ。3回のセッションでダイアンは写真家になった」と、アーバスのアーティストとしての発展をモデルに帰属させる発言をしたと言われている。ラリー・フィンク、ヘレン・ギー、ジョン・ゴサージ、ハリー・ラポウ、チャールズ・プラット、エヴァ・ルビンスタイン、ロザリンド・ソロモンもモデルの生徒。20年間、ほとんど変化のないプログラムを教え「子供の芸術を例として示し、芸術は世界の探求であり、既にあるものの複製ではない」と常に同じ原則を説いた。1976年に夫のエヴァが亡くなった後も、ニュースクールとインターナショナル・センター・オブ・フォトグラフィーの両方でニューヨークで教え続けました。1981年、ニュースクールから芸術の名誉博士号を授与。
  • アートディレクター・作家 ハロルド・ヘイズ
    • ハロルド・トーマス・ペース・ヘイズ (1926年4月18日 – 1989年4月5日)は、1963年から1973年までの間、雑誌『エスクァイア』の編集者として知られるアメリカのジャーナリスト、作家。ニュージャーナリズム運動の主要な立役者の一人。
    • ニュージャーナリズム運動は、1960年代から1970年代にかけて発展したジャーナリズムのスタイルで、当時としては非従来的な「文学的技法」を用いたもの。主観的な視点と、長編ノンフィクションを思わせる文学的なスタイルが特徴。従来のジャーナリズムでは、ジャーナリストは「見えない存在」であり、事実は客観的に報道されるべきものとされていたが、ニュージャーナリズムでは、豊かなイメージを用いて、事実の中に「主観的な言葉」を織り交ぜながら、自らもストーリーの中に没入しながら取材し、記事を書くもの。
  • マーヴィン・イスラエル
    • マーヴィン・イスラエル(1924年7月3日 – 1984年5月7日)は、ニューヨーク州出身のアメリカ人アーティスト、写真家、画家、教師、アートディレクターで、モダン/シュールレアリスムのインテリア、抽象的なイメージで知られる。1950年、シラキュース大学の大学院生で、パリで2年間勉強し、1955年、イェール大学でグラフィックデザインの修士号を取得し、セブンティーン誌のアートディレクターになる。1956年、エルヴィス・プレスリーを撮影。1960年、主要な表現媒体としての写真を離れ、木炭、パステル、インクによるドローイングに専念するように。1961年から1963年まで、『ハーパース・バザー』のアートディレクターを務め、リチャード・アヴェドンをはじめ、ダイアン・アーバス、ロバート・フランク、リー・フリードランダー、ラリー・リバース、アンディ・ウォーホルなどのアーティストや、アンリ・カルティエ=ブレッソン、ウォーカー・エヴァンスなどの巨匠を紹介。1957年から1963年まで、アトランティック・レコードのフリーランスのアートディレクターとして働き、その後も時折仕事を受けた。1963年、ニューヨーク市のパーソンズ美術学校、クーパー・ユニオン、ロードアイランド・スクール・オブ・デザインで絵画とデザインを教えた。1966年、ニューヨークのコルディエ・アンド・エルクストロン・ギャラリーで初の個展を開催。1967年、マドモアゼル誌のアートディレクターに就任。1970年、ミネアポリス美術館でリチャード・アヴェドンの写真展をデザインした。1978年、西ドイツのハノーファーのブルスバーグ・ギャラリーで回顧展を開催。1984年5月、リチャード・アヴェドンの展覧会「イン・ザ・アメリカン・ウェスト」の仕事でテキサス州ダラスに滞在中に心臓発作を起こし、死去した。彼はキューバ生まれのニューヨークの彫刻家でセラミック作家のマーガレット・ポンセ・イスラエルと結婚していた。ニューヨーク市の高層ビルの最上階に2階建てのキューポラのスタジオ兼リビングスペースを持っていた。彼は、共に仕事をしたアメリカ人アーティストや写真家に加えて、リゼット・モデル、メアリー・フランク、ピーター・ビアード、ソール・ライター、ゲイリー・ウィノグランドなどの著名な写真家やアーティストの間でも広く知られ、親交があった。
  • 娘(ライター・編集者 ドゥーン・アーバス)
  • 娘(写真家 エイミー・アーバス)
  • 両親(デビッド・ネメロフ&ガートルード・ルセック / David Nemerov and Gertrude Russek)
  • 妹(アーティスト ネメロフ・ネメロフ / Renee Nemerov Sparkia Brown)

Master of Photography – Diane Arbus

文字起こし原稿

森山大道さんにとって重要と思われる人々の紹介

岩宮武二

細江英公

三島由紀夫

東松照明

中平卓馬

寺山修司

ウィリアム・クライン

アンディ・ウォホール

多木浩二

PROVOKE

深瀬昌久

荒木経惟

アンセル・アダムスと土門拳(2024年3月30日)

アンセル・アダムスと土門拳 年表 | シンヤB

BORN FREE and EQUAL | Library of Congress (.gov)

土門拳が撮った早大生 | 早稲田大学 歴史館

この記事を書いた人

シンヤB

アーティスト、教育者、ドラマトゥルク。詳しくは、プロフィールをご覧ください。