Adobe Photoshop レイヤーのマスクの手引き,その1 / Adobe Photoshop, Introduction to Masks, Part 1

レイヤーも情報が多くなってきたので、「写真家の為のレイヤー入門」として、別のページにしました。

アドビ Photoshop 写真家の為のレイヤー入門 / Adobe Photoshop Introduction to Layers

レイヤーのマスクでできること

マスク名できること
クリッピングマスクテキストや楕円形選択ツールなどを使った写真の切り抜き
レイヤーマスク写真の部分的な調整
ベクトルマスクパスを使った写真の切り抜き
選択とマスク人物などの切り抜き
アドビ Photoshop のマスクの4つの方向性

レイヤーのマスクの心得

  • 一般的な写真の場合は、マスクに依存しないように注意
  • 撮影よりもマスクの作業に時間を使いすぎないように
  • マスクの作業は簡単なことからワークフローに取り入れていく

撮影の際に露出がうまくいかなかった写真をマスクで修正するのは、非常手段だと思ってください。初級の方は、マスクで修正するよりも、もう一度撮影してみるというような、可能であれば撮影により多く時間を使う方が写真の腕は上がるのではないかと考えています。

逆に、複数の写真をコラージしていくような作品には、マスクを積極的に使っていくと良いと思います。

クリッピングマスクでの写真の切り抜き

上のレイヤーに写真を置く
下のレイヤーに切り抜く形を入れる。マスクする (見せない) 部分は透明ピクセルにしておく。
レイヤーパレットにて、写真のレイヤーを「control」クリックし、「クリッピングマスクを作成」を選ぶ
上のレイヤーの写真が下のレイヤーの形に切り抜かれた
  • 下のレイヤーの濃淡は結果に影響せず、あくまでも形に沿って切り抜くだけ
  • 下のレイヤーの透明ピクセルの部分がマスクとして機能する
  • テキストで写真を切り抜くこともできる
クリッピングマスクの例。上は楕円形センタクツールを使い黒い正円で、下はテキストで切り抜いた。
矢印の「+」を押すと新しいレイヤーが足されれます。クリッピングレイヤーで新しいレイヤーを作る際は、このボタンを押して作ります。

レイヤーマスクを使い部分調整

画像を開いたら「すべてを選択 (Mac: Command + a / Windows: Control + a)」してコピー・ペーストすることで、レイヤー1に背景と同じ写真を入れる。
切り抜きたいものを「オブジェクト選択ツール」で選ぶ。選ぶ場合は長方形で完全に囲むようにする。
選択が終わったら、矢印の先の「ベクトルマスクを追加」をクリックする
ベクトルマスクを追加すると、レイヤー1のサムネールの右側にレイヤーマスクが作られる。
新規調整レイヤーから、調整したいものを選ぶ。今回は分かりやすいように「白黒」にしてみた。
新規レイヤーにて「下のレイヤーを使用してクリッピングマスクを作成」をチェックし、「OK」を押す。
レイヤーマスクで選んだものだけに調整レイヤーの効果を足すことができた。
  • レイヤーマスク上で黒い部分がマスクとして機能する
  • 黒い部分に重なる写真は見えない
  • レイヤーマスクはマスクを簡単に修正できるので、後から調整しやすい
  • PSDファイルにレイヤーマスクを残して保存すると、ファイルサイズが大きくなる

ベクトルマスクでの切り抜き

  • レイヤーパネルで、ベクトルマスクを追加するレイヤーを選択
  • レイヤー > ベクトルマスク > 「すべての領域を表示」を選択
  • ペンツールとパス選択ツールを使い、切り抜きたいものをパスでアウトラインする (パスを描くのは難易度が高いので注意が必要)
  • ベクトルは点で線を描いてアウトラインするので、瓶などの切り抜きには向いています

選択とマスクで人物の切り抜きをしコラージを始める

画像を開き、選択範囲 > 「範囲をマスク」を選びます
右側の「表示」で「オーバーレイ」を選ぶと写真が赤くなります。赤い部分がマスクです。
「被写体を選択」または「クイック選択ツール」で、人物を選択します。選択された部分から赤が消えます。
「髪の毛を調整」と「境界線調整ブラシツール」を使い、髪の毛を選び背景は選ばないように髪の毛の部分を調整します。足したり消したりしたいところをブラシでなぞるだけです。あとは Photoshop が自動で行います。
選択が終わったら、出力設定にて「レイヤーマスク」もしくは「新規レイヤー (レイヤーマスクあり)」を選び、「OK」を押します。
マスクの部分が透明になりました。レイヤーパネルに新しいレイヤーがレイヤーマスクと共に出来ています。
人物の下のレイヤーに別のイメージを入れ背景を作り、コラージの作業を始めます。写真の大きさは「自由変形 (Command + t) / Windows: Command + t)」で行います。

この記事を書いた人

シンヤB

アーティスト、教育者、ドラマトゥルク。詳しくは、プロフィールをご覧ください。