リコー THETA Z1 に出会って翌日の思い

リコー THETA Z1 の発表の翌日に、これを書いている。昨日はシンヤB写真展の最終週の初日ということもあり、リコー・シータ新機種発表記者会見の後すぐに会場のスターバックス池尻2丁目店に向かったので、ブログは書いたものの「思い」が未消化だったということがあるようだ。

RICOH THETA Z1, 2019

リコー THETA Z1 いろいろと気になっていること

いくつか未確認の気になることがあるので書いておく。昨日の記者会見で聞けばよかったのだが、すごい性能のシータが発表されたということと、すごく沢山の取材人がきていたことがとても嬉しくて、私にとっては、細かいことはあとで考えよう的なイベントとなった。シータ関係者にとって、とても良い日になったのではないかと感じた。

  1. 他のハイエンドカメラと同じように RAW と JPEG を同時に保存できるのか ? (写真から見るに RAW+ と有機パネルに表示されているのでできるのではないかと推測しています。予想=できる) 追記:できるそうです (2019年3月7日)
  2. RAW を Wi-Fi で iPhone に転送できるのか ? (これは現在の仕様ではできないのかもしれない、実際、他社のハイエンドカメラもできないので、同じ仕様である可能性は高い。予想=できない) 追記:できないそうです (2019年3月7日)
  3. THETA Z1 を有線で iPhone に繋いで、RAW を転送できるか ? (これはできないと思われる。現行のシータでもテストしてみたいんですが、Lightning – Micro USB のケーブルを持っていません。Lightning – USB-C は持っています。予想=できない) 追記:できないそうです (2019年3月7日)

リコー THETA Z1 RAW のワークフロー

現時点で、どれぐらいの人が気にしているのかわからないが。私にとってもっとも気になるポイントは、RAW保存を使ったワークフローである。昨日のブログでも書いたが、どうやら、iPhone / iPad で RAW を処理するワークフローは考えられていないようで、これは最近のRAWデータ周辺のトレンドにマッチしていないと感じることは書いた。

つまり、SDカードスロットを持たない RICOH THETA Z1 は、どうやらいまのところ、iPhone / iPad に RAW を直接コピーできないようなのだ。他のハイエンド機種はSDカードリーダーを使えば RAW を iPhone / iPad にコピーすることができる

リコー THETA Z1 を「仕事」で使う

そして、記者会見では触れられていなかったが、推測するに、こういうことなんではないかと思いついたのだった。

  • 遊びで使う: SNS でシェアする場合は、JPEG で撮影することが想定されている
  • 仕事で使う: プロが仕事で撮影する場合は、RAW で撮影することが想定されている

遊びで使う場合は、いままでのように JPEG で撮影。性能が上がった分 JPEG 撮影でも高画質が期待できる。iPhone に転送し SNS などでシェア。実機を使わせてもらったが、転送時間も THETA V と同じぐらいだった。

仕事で使う場合は、RAW保存。MacBook Pro に転送して Adobe Lightroom Classic Photoshop など で現像し仕上げる。

この切り分けでとりあえずは良さそうなのだが、実際に現場的なことを考え始めると、いろいろな可能性があることに気づいたので、思いを書いてみることにした。

RICOH THETA Z1, 2019

まずは、例えば、SNS でシェアするのが「仕事」だったら、この切り分けでは難しい可能性が考えられる。Instagram はPCからポストできないという問題もある (注:ブラウザーの開発モードを使い投稿するという裏技はあるが、しかし、使いやすいとはいえない)。それと、SNS でシェアした後にデータを印刷するケースも考えられる。RAW保存と THETA+ のバランスについては昨日のブログに書いた。

さて、このブログを書き始めて気づいたことなのだが、「仕事で使う」というのは、どういうケースが考えられるのだろうか? 私や私の周りの人々だと。

  • 結婚式の撮影を頼まれた。
  • 修学旅行の撮影を頼まれた。
  • 音楽ライブイベントの撮影を頼まれた。
  • 報道関係の撮影。

などが考えつくが、なんだかもっと他にも「仕事」としてシータを使う場面を増やしていく必要があるのだと気づいた。

RICOH THETA Z1, 2019

リコー THETA Z1 で、新しいマーケットを開拓していかなければならない

RICOH THETA Z1 の課題の一つを挙げるとしたら「値段」になるんじゃないかと思う。けして12万円という値段がカメラの性能や価値に合わないといいたいわけではない。360度カメラの市場はまだまだ未成熟で、12万円のカメラから元を取るのは難しいと感じるのだ。そして、この「値段の問題」は、使う側、クリエイターの課題でもあるのだろう。待ちに待った、高画質でRAW保存できる RICOH THETA Z1 というすごいカメラが誕生したのだがら、12万円の元がとれるように、私たちクリエイターも新しいマーケットを開拓していかなければならないということだ。

RICOH THETA Z1 プロダクト写真提供: 株式会社リコー

RICOH THETA の初号機で撮影した夕焼け、2014年撮影 by Shinya B

2019 THETA by Shinya B

この記事を書いた人

シンヤB

アーティスト、教育者、ドラマトゥルク。詳しくは、プロフィールをご覧ください。