(What I expect from an artist, first and foremost, is to think about the audience. 我對藝術家的首要期望是,他們首先要考慮觀眾。私がアーティストに求めることは、第一に、観客のことを考える、なんです。 — Takao Hashimoto/橋本隆雄)
野の書とは、シンヤBのかっこうよくない努力についての記録である。
アメリカの大学と日本の大学の合同授業として “Community Arts and Culture Development Practice (地域の芸術文化開発実践)” 講座を担当している。最初のゲストの方をお迎えして、なんだか感慨深い気持ちになったので、自分の記録としてブログを書くことにした。
Guest Lecture 1: The Law of Performance / ゲスト講義 1:パフォーマンスの掟
先週「アートは何のためにあるのか?」の授業で、大道芸プロデューサーの橋本隆雄さんがゲストでいらっしゃることを学生に話していた。そして、学生達に書いてもらった、アートを説明する単語は、教室の壁に貼ったままになっていた。
Healing(癒し)、Expression(表現)、Communication(コミュニケーション)、A mirror of the times(時代の鏡)などの単語が並んでいる。
授業が始まる。橋本隆雄さんは、自分が大道芸にかかわることになった、野毛大道芸の話しから、フランスでの体験、そして、三茶 de 大道芸など、時間を追うように学生に話していく。そして、アートとはなんであるのかの話になっていった。
学生達が書いた単語を指さして、「皆さんが書いてくれたことすべてがアートなんですよ」と言ってから、ご自身がプロデューサーとしてアーティストに求めていることを話し始めた。
私がアーティストに求めることは、第一に、観客のことを考える、なんです。これは、皆さんが書いてくれたアートは何のためにあるのかの「コミュニケーション」にあたるものだと思います。
パフォーマンスの世界では、技術に夢中になり、たくさん稽古をして、すごく上手になる人もいます。でも、それだけじゃダメなんです。技術だけでは、観客を表現の世界には引き込めません。では、どうすればいいのか。観客とどのようにコミュニケーションをとればいいのか。
私は、大事なのは、観客に対して優しい気持ちを持つことだと思ってます。観客に、相手に、温かい、優しい気持ちを持つと、そこには自然にコミュニケーションがうまれてくる。
凄いアーティストは、技術もあるけど、観客を想う気持ちがとても強い。私は、三茶 de 大道芸は、温かい、優しいフェスティバルを目指してディレクションをしています。それは、観客に対して優しい気持ちを持つことが大切だとと思っているからなんです。
橋本隆雄さん、コミュニティアートの授業より
話を伺って、これは、The Law of Performance (パフォーマンスの掟) だなーとしみじみ感じたのだった。この考え方は、音楽、写真など、いろいろな分野にあてはまる。素晴らしい講座でした。大変に勉強になりました。橋本さん、ありがとうございます。
では、また来週。
P.S. 橋本さんと橋本さんのことを呼んで、私は、風倉匠さんのことを思い出していた。実は、風倉さんの本名は橋本さんと言うのだった。こんなところにも縁を感じたりしている。