夜の景色にも独特の陰影がある 夜の陰影にアジアを感じてしまう 太陽の光が介在しない風景 いつも同じ陰影がそこにはあるような気がしている 太陽という言葉はすごく昔の中国からやってきた この世界は陰と陽で構成されていて 一方を太陽と呼び、もう一方は太陰と呼ばれた この考え方は、私たちの生活の中には残っていないが 漢方や鍼灸の世界ではいまだに使われていて 体が冷えている、あるいは熱が籠っていると解釈され 実証と虚証と呼ばれる 日本の日 (ヒ) は、霊、火、光の意味があり 日の語源がなんなのかは分かっていない 霊の本と書くと、なんだかしっくりくる気がするので もしかしたら、霊という意味だったんじゃないかと思うようになってきた 霊と書くと、なんだかおどろおどろしい感じがするが 霊とは、私たちの体の肉体以外の部分を指している言葉で 神聖を意味していたとされる 面白いことに、太陰を辞書でひくと、月とでてくる 私はここのところ月ばかり撮影していて 夜の陰影に自分が惹かれていることに気づいた (月の光が形取る神聖のドキュメンテーションについて)