ナイト・ツリー / Night Tree

夜の景色にも独特の陰影がある
夜の陰影にアジアを感じてしまう

太陽の光が介在しない風景
いつも同じ陰影がそこにはあるような気がしている

太陽という言葉はすごく昔の中国からやってきた
この世界は陰と陽で構成されていて
一方を太陽と呼び、もう一方は太陰と呼ばれた

この考え方は、私たちの生活の中には残っていないが
漢方や鍼灸の世界ではいまだに使われていて
体が冷えている、あるいは熱が籠っていると解釈され
実証と虚証と呼ばれる

日本の日 (ヒ) は、霊、火、光の意味があり
日の語源がなんなのかは分かっていない

霊の本と書くと、なんだかしっくりくる気がするので
もしかしたら、霊という意味だったんじゃないかと思うようになってきた

霊と書くと、なんだかおどろおどろしい感じがするが
霊とは、私たちの体の肉体以外の部分を指している言葉で
神聖を意味していたとされる

面白いことに、太陰を辞書でひくと、月とでてくる

私はここのところ月ばかり撮影していて
夜の陰影に自分が惹かれていることに気づいた

(月の光が形取る神聖のドキュメンテーションについて)
Night Tree, 2021 by Shinya B

この記事を書いた人

シンヤB

アーティスト、教育者、ドラマトゥルク。詳しくは、プロフィールをご覧ください。