シネイド・オコナーさんの悲報を伺って

シネイド・オコナーさんを一瞬でスターの座へ駆け上げることになった録音「Nothing Compares 2 U」の発売は、1990年だったのこと。23歳の私は東京でテレビ局で働いていて、バブルという言葉が徐々に薄れていくのを感じながら、日本はどうなっていくのだろうと漠然とした不安を抱えていました。そして、1992年に渡米することに。

資料を見ると、シネイドさんは1966年12月8日生まれ。私と同級生なのです。シネイド・オコナーさんの歌う「Nothing Compares 2 U」は一度聞くと見ると忘れられない映像インパクトと、感情がストレートに伝わってくる歌い方、直面するのが怖い感性を感じる録音で、30年たった今も、思い出すたびに聞いて、DJをする際にもできればかけたいリストに入っている曲です。

作詞作曲はプリンス。ちなみに、1990年は、プールバーやカフェなどの場所で、上に貼り付けてあるシネイドさんが画面一杯に歌う姿を見ることができました。

邦題は「愛の哀しみ」とのこと。英語のタイトルは、Nothing Compares to you ですので、「結局は、あなたの代わりになる人はどこにもいない」というニアンスの言葉です。

私は音楽の歌詞の意味について考えるのが好きなのですが。この曲の歌詞は、去ってしまった恋人に向かって歌っているようにも、死んでしまった母親に向かって歌っているようにも思える構造になっています。どちらが正解ということはなくて、きっと両方に向かって歌っていたんではないかと思います。

人間の感情というのは複雑ですね。

実際にシネイドさんには会ったことはありません。しかし、同じ歳の方が亡くなるのは、なんだか寂しいものです。

歌詞についての資料を貼っておきます。シネイド・オコナー 愛の悲しみ 歌詞

この記事を書いた人

シンヤB

アーティスト、教育者、ドラマトゥルク。詳しくは、プロフィールをご覧ください。