青いタープ

90分ほど翻訳の作業をして 一つの名訳ができて そして ちょっと作業が詰まって カメラを持って出かけることに

外に出ると 青いタープが 床に貼ってあったのがはがれているのが目につく

同じフロアーで リフォームをしているみたいなのだが 連休になると作業が放置され 床からタープがどんどんとはがれていくのだった

しかし 家から出るとブルーシートが見えるという生活がメンタルに影響するということを リフォーム業者はわからないのだろうな と思う

エレベーターホールの前のブルーシートを撮影する

中平さんのこと考えるかと思ったら 今日は 安部公房さんのことを思った 彼の初期の文章に Memorandum とつけられているものがあり そこに 体験は奪っていく という文があるのだが 何年かおきに この文章について考える 彼は その奪われることでできる穴を埋めることができなくなると 死ぬのだ と書いていた

私は 写真を撮るということも これに近いと思うことがって シャッターをきるたびに 自分の中の何かが奪われているのではないかと思う そして この穴を埋めることができなくなると 終わるのかもしれない

ビルの外に出て 歩き始めると トラックが前をとおりすぎようとしていた 体験が奪うに触発され 目の前を通り過ぎるトラックを撮影することにした ピントはあわせなかった

そのまま歩いていくと 世田谷線が踏切を通り過ぎるのがみえた 近くに落ち葉があり 黄色い色に惹かれ 地面のヒビとともに撮影した そういえば 家を出た時は ヒビを撮影しようかと思っていたのが 青いタープになったのだった

少し歩くと タイヤが地面に置いてあった このタイヤは 昨日の空き地の体験と同じようなビビッドなものを感じた 撮影する

タイヤを撮影したら タイヤの質感のような《なんだか汚い》気持ちになり 解毒できないかと 緑なものを撮影することに シャッターを切ろうとしたら 風がふいた

コンビニに行き コーヒーを買いたいと思う

コンビニに行くまで いろいろと撮影したいものがでてくるが すでに5枚撮影したので 見送る ここでもいろいろ思うことがあり考えるが このメモには入れないでおく

コーヒーを買って 家に戻る

翻訳で詰まっているところと 格闘開始 もう少しかかりそうだ

Photography Project I: 008 ©︎ Shinya B 2025
図1 Today’s 名訳
図2 今日、詰まったところ 1
図3 今日、詰まったところ 2

この記事を書いた人

シンヤB

アーティスト、教育者、ドラマトゥルク。詳しくは、プロフィールをご覧ください。